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物の扱い方で人がわかる?

物の扱い方で人がわかる?


それは19歳のころだったんですけど、

大きな事故を起こしてしまったことがありました。

若気の至りで夜のアルバイトの帰り道に少しだけスピードを上げて走っていましたら

後ろにエンジンのある僕の車は(ポルシェではありません)

お尻が滑って反対車線に飛び出しました。

そこに走り屋のお兄さんの車と鉢合わせ・・・

車は大破しました。


非常につらい思い出でしたが、

走り屋のお兄さんは父親にゆずってもらった車を廃車にされて今でも怒り心頭だと思います。

今でも申し訳なくお詫びの気持ちでいっぱいです。


それから時は経ち、今でも同じ色の30年以上前の希少車を年に数回見ます。

あんなマイナーな車はこだわりが無ければ乗りません。

乗っている人はきっとあのお兄さんだと思います。

声をかけたい反面、

それは絶対にできない・・・

もしかしたらその車に乗っていることは僕へのメッセージかもしれません。

「俺は今でもこの車と生きている!絶対にあのことは忘れるな」と

僕はその車を見ると事故のことを思い出します。



極端な例でしたが、物には感情を感じる時があります。

しかし、僕には自分の物を大切に扱う気持ちがあまりありません。

例えば仕事をする工具、

僕にはピアノを良くするだけのただの道具です。

もちろんピアノを良くするために工具にはドイツ製などお金をかけている物もあります。

しかし、それはピアノを良くするためのもので、

ピアノが良くなればいいので全く工具自身には尊敬はありません。

これはよくないことだと思っていますが、

これは僕自身にも言えることです。

ピアノが良くなれば僕自身はどうでもいい・・・


理想はたまに見る人の仕草で、

物への執着でなく、尊敬を感じる時です。

それは非常に上品で人間の品格を感じます。

きっとそんな方は生き方も品があるに違いない。


あの走り屋のお兄さんは、

こだわりを感じた方でした。

品というより無骨な男を感じます。

今でも見かけると心の中で深々と挨拶をします。

テーマ:思うことをつれづれに - ジャンル:心と身体

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ノブ

Author:ノブ
こんにちは、ピアノの調律師の谷口です。ピアノの関する情報と、イタリア音楽など関するホームページを作っています。ぜひ立ち寄ってください。

10.10.2011~