fc2ブログ

ベートーベンが自然に聞こえました。

自転車で東京を目指したのですが、

その目的の一つが技術者の山口さん田中先生にお会いすることでした。

本来、ピアノに携わる人は、

理工大学を卒業できる頭と、伝統技術を継承できる手先、ピアニストにもついて行ける感性

その3つが備わっていないと本当の仕事はできません。

そんな方は50年に一人の逸材だと思います。


僕は当てはまる訳も無く、かろうじて感性だけがついて行ける程度です。

腕も無いのに音に事を語るな、そう言われたことは何回もあります。

反対に、なんでこんなに手を尽くして良い音がしないピアノなんだと思ったこともあります。

ですから、音を知っていて、理論立てして、手先で実践しなくてはなりません。


130年も前なら、最先端の産業がピアノだったので、素晴らしい人材がピアノを作っていたのでしょう。

今は、人工知能だの宇宙産業なのでしょうか?


thumbnail_IMG_3272.jpg


ああ、もう理解さえできませんが、生理的に受け付けるデザインです。

クジラの背のこぶのようなおおらかな、自然と温かみを感じます。

音の発生と放出、経路をたどっていくとこうなるみたいです。


thumbnail_IMG_3271.jpg

チェンバロを再生するのではなく、

チェンバロが自然な音の発生をする楽器として選ばれただけです。

バイオリンでもウクレレでもいいのです。

thumbnail_IMG_3273.jpg



ブツブツ切れるベートーベンの音、

音楽を越え哲学してるんだから、音の装飾なんていらない。

もっとコアな物、だから感情をこめてガンガン叩く。

そんな印象だったのですが、山口さんの仕上げたブリュートナーバードゲージで弾くと・・・

ブツブツ切れません、ちゃんとと音楽として歌っています。

ショパンだとおかずがうるさくてケバケバしくなります。




当時の楽器で演奏すればいいのか?

忠実にメンテナンスされ、または再生されて、良いと思ったことはありません。

ミイラみたいに干からびた音ばかり、全く違うんです。

知性と理論、手先だけで、感性がついてこないケースです。

ですから、理工大学を卒業できる頭と、伝統技術を継承できる手先、

ピアニストにもついて行ける感性が必要なんです。





山口さんも田中先生もメジャーにはならず、

ひっそりと生きて、歴史に埋もれて行くでしょう。

しかし、取り巻く仲間、演奏家と仲良く目的を果たして下さい。

誰の為でもなく、名誉の為でもなく、音、音楽の為ですから。


大手メーカーさん、基礎研究されていますか、

こんなブログは見ていないでしょうが、一見の価値はありますよ。

話が合わないかなぁきっと。






リンク
カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
最新トラックバック
調律師のブログです
ご訪問ありがとうございます。お時間のある方お付き合いください。

ノブ

Author:ノブ
こんにちは、ピアノの調律師の谷口です。ピアノの関する情報と、イタリア音楽など関するホームページを作っています。ぜひ立ち寄ってください。

10.10.2011~